【2011年6月15日(水)】

あみちゃんのお母さんから伝えられた、あみちゃんの様子です。

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お陰様で移植手術から6年が経ちました。
この4月から、中学生になり、誕生日も過ぎて13才になりました。
身長は昨年とあまり変わらず、153cmですが、体型は大人っぽくなってきました。

診察を含む外来は、月に1回、採血は月に2回のペースです。脳梗塞のリハビリは、ST(Speech Therapy/言語療法)に月に1回、OT(Occupational Therapy/作業療法)に月に2回通っています。PT(Physical Therapy/理学療法)は3ヶ月に1回位のペースで受けています。リハビリの専門病院での、月に1回の体育の訓練も楽しく続けています。卓球、バトミントンは益々上達しています。ラケットとシャトルの両方を左手に持ってするサーブも成功率が上がり、休日に家族でバトミントンをする時もラリーが続くようになってきました。

今年も4月に心臓の拒絶反応を調べるために、5日間入院をし、カテーテル検査をしました。
バイオプシーの結果、今回も拒絶反応はみられませんでした。冠動脈の太さは昨年より、良かったとのことでした。良い結果に本当に感謝しています。
その他の検査も例年通り行いました。
眼科で視野検査をしたところ、両目共に右半分が欠損しているようです。
3年前に他院で調べた時は、もう少し両目共に右の視野があったように思うので、視野狭窄が進んでいるのかと心配になりました。年齢が低いと正確な視野検査は難しいと聞いたこともあるので、今回の結果の方が、正確なのかもしれません。
神経内科の先生によると、MRIを見る限り、進行している様子はないそうです。症状は、ほぼ固定されているだろうとのことでしたので、これ以上進むことはないと信じたいと思います。
ただ、右の聴力にも影響があるのではないかと指摘を受けました。
愛美に確認したところ、イヤホンで音楽を聞く時は、右の耳の方が聞こえにくいそうです。
今まで聴力に関しては、全くケアしたことがありませんでした。もっと早くに気付いてあげていたら、日常生活で楽になったことがあったかもしれないと、反省しています。耳鼻科で聴力検査をしていただいて、今後に活かしたいと思っているところです。

この1年で、何より嬉しかったのは、無事に小学校を卒業したことです。
愛美と同じ学年のお友達が小学校に入学した4月に、愛美は移植手術のために、渡米しました。その4ヶ月前に移植手術が必要と宣告されてから、小学校に入学することは、夢のまた夢でした。愛美自身は幼稚園の年中の秋から、ずっと入院治療を受けていて、ランドセルを背負って小学校に行きたいと言っていましたが、私にはそんな夢みたいなことはまだ考えてはいけないという思いがあり、何より考える余裕がありませんでした。

その後、多くの方々のご協力・ご支援のお陰で移植手術を受け、帰国してからは、少しずつ小学校入学が現実的になってきて、喜びと同時に不安も大きかったことを思い出します。
身体のことも勿論ですが、失語症があり、勉強面やお友達関係で同級生に付いて行けるかとても心配でした。1年遅れで入学することも選択肢にありましたが、当時の小学校の校長先生、養護の先生、教育委員会の方が病院で主治医とミーティングをしてくださり、校長先生が体が大丈夫なら、是非早く入学してくださいと言ってくださった時は、本当に嬉しかったです。

結局半年遅れで、入学することが出来ました。ランドセルを準備していなかったので、慌てて取り寄せたことも懐しいです。
ランドセルを背負って初めて登校した日は、忘れられません。当時は今よりもっと話すことが出来なかったので、愛美本人から言葉で喜びを聞いた記憶はないのですが、どんな思いだったのでしょうか。本当に嬉しかったと思います。

小学校6年間(5年半)、いろいろなことがありました。5年生からは、特別支援学級に転校し、愛美のペースでゆっくり着実に出来ることが増えて、自信も付き、楽しい学校生活を送ることが出来ました。先生方、お友達、ヘルパーさん、その他愛美に携わってくださった皆さんに感謝申し上げます。

3月の卒業式は、入場から涙が込み上げました。入学することが夢だった当時を思い出すと 堪えられませんでした。病気や障害のために、不便なこと、大変だったことが沢山あったと思いますが、くじけずによく頑張ってくれました。愛美には、本当にありがとうという気持ちでいっぱいでした。(本人は「おめでとう」ではなく「ありがとう」と言われて、不思議な顔をしていました。)

そして、4月に中学校に入学しました。特別支援学級のある学区外の中学校です。
入学前の3月に、中学校の校長先生、支援学級の先生、養護の先生にお時間をいただいて、 小学校の担任の先生も同席してくださって、愛美の病気や障害について説明させていただきました。また事前に心配なことをご相談することもできました。

愛美の入学した支援学級は、全員「初級スポーツ部」に入部します。火曜から金曜までの、7時45分から朝練があります。主にマラソンとバスケットをやっています。基本は放課後練習はありません。そのため、月曜以外は、6時50分に家を出ています。
リハビリの先生によると、マラソンは、右足の麻痺の影響で膝を壊す恐れがあるとのことだったため、担任の先生と相談して愛美はウォーキングをしています。
最初は、体力的に大変でしたが、早く学校に行って、お友達と会いたいようで、頑張って続けています。

また学級で和太鼓の演奏を学習に取り入れていて、年に数回、音楽祭や老人ホームなどで披露しているようです。先日公民館で演奏会があり、想像以上に本格的で、迫力があり、圧倒されました。
愛美も1曲だけ参加しました。入学から日も浅かったのですが、両手でばちを持ち、右手でも太鼓を叩き、みんなと揃えてタイミングよく右手を振り上げることも出来ていて、驚きました。感動しました。とてもよい右手のリハビリにもなっていると思いました。

今年度の支援級の1年生の女の子は愛美1人と聞いていたので、入学前は心配だったのですが、3学年合同で行う授業も多く、国語や数学は、学年に関わらないグループで学習しているため、その心配は今のところ問題なさそうです。
上級生の女の子達が、優しくしてくれているようです。嵐の話をしたり、マンガを貸してもらったり、楽しそうです。

小学校と同様、中学での学校生活に於いても注意点が多くありますが、先生方がよく配慮してくださっているので、ありがたいです。連絡を密に取りながら、良い学校生活が送れるように願っています。

6月に入って、体育祭がありました。100m走、1年全員リレー、台風の目、色別対抗リレー、綱引きに参加しました。走る種目が多く、トータルで250m走りました。小学校の運動会とは違った雰囲気の中、よく頑張っていました。随分体力が付いてきたように思います。

この1年の体調ですが、年末年始にひどい吐き下しの風邪を引き、救急外来で点滴を受けるなど、この冬は例年より体調管理が難しかったです。
しかし、心臓に悪影響はなく、概ね1年間元気に過ごすことができました。

大きな体調のトラブルもなく、小学校卒業、中学校入学など、愛美と一緒に幸せを味わうことが出来たのも、ドナーとドナーファミリー、そしてご支援くださった皆様のお陰です。
本当にありがとうございます。
愛美にとっては、今後も楽しいことばかりではないと思いますが、今までのようにきっとドナーが愛美の背中を押してくれて、一緒に乗り越えてくれると思います。
ドナーファミリーへは、今年もそんな感謝の気持ちを込めて、お手紙と写真をお送りしました。

実は、今までドナーファミリーへお送りした手紙の中では、名前を伏せるため愛美のことを「A」と表記していましたが、今年からUCLAのコーディネーターから、「Ami」と書いたらどうかと、嬉しい提案をいただきました。
ドナーファミリーから、コーディネーターに、愛美や私達家族の様子を気遣うメールが届いていたとも伺いました。
ドナーファミリーのお心遣いに感謝すると共に、私達がどんなに恵まれているか再認識しました。今回「Ami」という名前をお伝え出来たことを心から嬉しく思います。


これからも、とにかく体調に気をつけて、毎日を大切に過ごしたいと思います。

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「あみちゃんを救う会」事務局

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