【2012年6月17日(日)】

あみちゃんのお母さんから伝えられた、あみちゃんの様子です。

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移植手術から7年が経ちました。
愛美がアメリカで手術を受け、生きるチャンスをくださった皆様、本当にありがとうございます。

お陰様で愛美は中学校2年生に進級し、誕生日も過ぎて14才になりました。
中学生らしく、休日には親とよりもお友達と出かけることも多くなってきました。
愛美用に作っていただいた三輪の自転車も一時期はジロジロ見られるからと乗るのを嫌がっていましたが(若い女の子が三輪自転車に乗っているのは珍しいので)、お友達と出かけるにも行動範囲が広がって必要に迫られたこともあり、頻繁に乗るようになりました。
最近は風邪を引くこともありますが、概ね元気に過ごしています。

診察を含む外来は、月に1回、採血は月に2回というペースは変わっていません。服薬は朝晩2回です。脳梗塞のリハビリは、ST(Speech Therapy/言語療法)とOT(Occupational Therapy/作業療法)に月に1回、PT(Physical Therapy/理学療法)は3ヶ月に1回位のペースで通っています。リハビリの専門病院での月に1回の体育の訓練は、担当の先生のご退職に伴い、終了になりました。卓球やバドミントンがかなり上達していただけに、残念です。

今年も4月に心臓の拒絶反応を調べるために、5日間入院をし、カテーテル検査をしました。 主治医の先生のお陰で愛美の調子が良く、安定しているので生検は実施しませんでしたが、今回も拒絶反応はみられませんでした。本当によかったです。
その他の検査は例年通り行いました。
脳波検査の結果、心配な波は認められず、この状態が何年も続いているため、来年からは定期的な脳波検査は実施しないことになりました。その代わり年に1回、神経内科を受診して経過観察することになりました。

学校生活についてご報告します。
授業では数学、音楽、家庭科が好きなようです。
部活は昨年ご紹介いたしました通り、「初級スポーツ部」に所属しています。火曜〜金曜の朝練が中心のため、5時50分に起床して6時50分に家を出ています。服薬している免疫抑制剤の影響により日焼けを控える必要があるため、紫外線が気になる季節は5時40分に起床して、着替える前にしっかり日焼け止めを塗っています。右手の麻痺があるため、左腕は自分で塗ることが難しいので親が手伝っていますが、その他は多少時間はかかるものの自分で塗るようになりました。きっちりした性格で、家を出る時間はギリギリになることがなく、いつも時間の余裕があります。我が子ながらすごいと思います。
朝練は、マラソンとバスケが半々です。マラソンは足への負担が大きい為、ウォーキングで参加しています。愛美はバスケの方が好きだそうです。近々近隣の支援級対抗の球技大会があり、愛美はディスクサッカーに出場するのでその練習を頑張っています。

この1年で特に印象深かったのは、授業の一環として実施されている「和太鼓」です。昨年、入学間もない頃の発表会での愛美の演奏も感動しましたが、その後も練習を重ね一段と上手になりました。和太鼓の演奏は見た目以上に本当に体力を使うので、練習でクタクタになりながらも一生懸命取り組んでいました。右手にもばちを持ち、右腕をリズムに遅れることなく振り上げ、振り下げ、演奏している姿は毎回感動します。本当によく頑張っていると思います。

失語症の後遺症ですが、一年一年回復しているように思います。文章を書くことが一番難しいところなのですが、毎日日記を書くという宿題のお陰で上達して来ています。書きたいことが沢山ある日は、自分で紙を足して書くこともあります。毎日の積み重ねの大事さを実感しています。またお友達数人で回している交換日記も上達の手助けになっています。お友達のページを読んで質問に答えられるということは、「読む」力になっていると思われます。自分のページの分量はお友達と比べると少ないですが、お友達の真似をして自分なりに工夫して書くことで「書く」力も身に付いているように思います。大好きなスヌーピーの絵を描いたり、かわいいシールを貼ったりと楽しくリハビリが出来ているのではないでしょうか。

最近の愛美の趣味もいくつかご紹介します。
まずは学校でもやっているスウェーデン刺繍です。とても細かく緻密な作業ですが、とても美しい作品が出来上がります。右手のハンデがありながら、見事に作り上げています。その刺繍を施したクッションは、愛美のお気に入りです。
ピアノのレッスンも続けています。夏に発表会があるので、今はその練習をしています。左手だけの演奏ですが、これも上達しています。学校の教室のピアノでも弾いているようで、先日は音楽の先生に褒められたと大変喜んでいました。ピアノは愛美の自信のあるものの1つです。 家では夜9時にはテレビを消してしまうので、ドラマや嵐の番組を録画予約して好きな時間に見ています。暇な時にまとめて見る事も出来るので、時間を有効に使っているようです。

また「なでしこJAPAN」のワールドカップの試合を見て、サッカーがやりたいと言い出しました。たまたま自治体のスポーツ教室の中に、障害児のサッカー教室があったので参加してみました。月に1回、場所は体育館で、専門のスタッフが指導してくださいます。子どものペースに合わせてくださり、やる気を出させる声かけもあり、気持ちよく楽しく続けています。
テニスもやってみたいとのことで、先日障害者スポーツセンターの教室に参加してみました。とても気に入ったようで、月1回の開催日に行ける時は行きたいと言っています。
そこでは卓球の教室もあるので、近々参加する予定です。リハビリ病院の体育の訓練が終了してしまったため、思いっきり卓球をやる機会がなくなってしまったので楽しみにしているようです。時々家族で卓球場に行きますが、親は先生のように上手に返球できずラリーが続かないので、愛美にとっては物足りない状況です。
また最近バレーボールのオリンピック最終予選をテレビで連日見ていたので、案の定バレーボールがやりたいと言っているのですが、流石にそこまではスケジュールが回らないので、今は熱が冷めるのを待っています。

身体や言葉のハンデは依然として小さくないので、思うようにいかないことが沢山あります。思春期に入ったこともあり、小学生の頃と比べて自分を客観視できるようにもなってきているので、悩んだり怒ったりすることもあります。「右手が使えたらな…」と言うこともしばしばです。 でもその中でもやりたいことがいろいろ湧いてきて、それを愛美なりに工夫しながらやっているのを見ていると、我が子ながら本当にえらいと思ってしまいます。
もちろんこれらは周りの方々の多大なサポートがあってのことですので、大変感謝しております。ただあのパワーはどこから来るのだろうと、不思議に思わずにはいられません。

新しいことに挑戦する時は勇気がいると思うのですが、きっと愛美のドナーになってくださったお子さんが背中を押してくれているのではないでしょうか。そして引っ張ってくれているのかもしれません。愛美だけの力ではないとより強く感じています。

今年もドナーファミリーにお手紙をお送りしました。写真も同封しました。手術からどんどん日は経ってきますが、感謝の気持ちは薄れることはありません。ドナーとドナーファミリーのお気持ちを感じながら、それに応えられるよう、毎日を大事に過ごして行きたいと思います。

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「あみちゃんを救う会」事務局

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